「日本のお正月」とは?茶道マインドフルネスコーチMiki先生が解説

Celebrating the Japanese New Years - written by tea ceremony teacher Miki Sensei

もちろん地域宗教により異なるものの、欧米で最も大きな年中行事、時節の一つはクリスマス、holiday seasonではないかと思います。ご家族や大切な人との関係性にとって、そして商業的な機会としても。

日本もその影響を大いに受けている昨今でありながら、伝統的に最も大きな行事、節目は間違いなく”お正月”です。

お正月をなんと訳すかも実際難しいころです。なぜなら、少なくとも3つのお正月を経て新しい年へシフトしていく意識が私含め多くの日本人にあります。そしてお茶(茶道)にとっても大切な節目でもあります。

最も一般的にいう”お正月”は新年を迎える一月、これは歳神様をお迎えする期間ということで特に1/1-7(または1/15)を指します。日本ではクリスマスにクリスマスツリーや子供や大切な人へのプレゼント、パーティーを楽しんだら、翌26日からは一斉に街にはお琴やらの雅楽が流れ、最も短く最も忙しく華やかなお正月準備(商戦も)が始まります。

多くの日本人にとって最も長い休暇期間でもあり、仕事から離れ、故郷や実家へ帰り、家族で集まり祝う伝統があります。この一年への感謝と振り返り、新しい年への誓いや志を立てる時節です。

日本各地のお寺では1月31日夜、新しい年に向けて、旧き煩悩を払うために108の鐘が鳴らされ、新年へのカウントダウンが始まります。神社では1月1日になる深夜から多くの方が初詣に出かけ、手を合わせます。各電車会社はこの期間は深夜通して増便しご利益が評判の有名な寺社界隈は大賑わいです。

年末は一年を締めるけじめの意と長寿を願ってお蕎麦をいただき、年始は台所の神様にも休んで頂けるよう、材料に一年の祈り(健康や長寿)を込めて準備した日持ちのするおせち料理やお雑煮を囲みます。

お屠蘇や大福茶を頂いたり、普段使うものを新調し新しい年をまっさらな気持ちで新年を迎えます。

お茶の世界では、お正月明け1月の初めは、初釜というお茶事が各教室やお茶室で晴れやかに開かれます。新しい年初めて釜をかけてお茶を点て分かち合えることを慶び、気持ち新たにこの一年のお稽古や毎日の志を先生や自分に誓います。

実はこの1月1日のお正月は明治以降西洋化が進み太陽暦のカレンダーが一般的になってからのもので、元来日本では太陽と月の周期を併用した太陰太陽暦による、太陽と月の高さや位置形をもとにした自然と共に生きるリズム、旧暦に長く親しんできました。旧暦でのお正月は今のカレンダーでいう2月3,4日頃(立春・節分)ー厳しい雪の中からフキノトウや水仙や、梅の花が膨らみ始める頃ーなので、お正月を初春というのはその名残からの象徴です。

もう一つの古典的なお正月として、冬至を最も大切な節目、新しい年の気に切り替わる期ととらえることもできます。天文的には冬至はもっとも夜が長く日が短い冬のピークであると同時に、陰陽五行においてピーク(盛り)は始まり(走り)でもあり、現に陰極まり底打ちこの日から日が長くなる、陽の気が増していく、一陽来復の希望に満ちる大切な節目です。古今東西、このタイミングに宿る力を活用された記録や文化が多く残っています。

このように、冬至(2025年は12月22日)、1月1日、節分(2026年は2月4日)、と三つのお正月をご紹介させて頂きました。

ここまでに節目、という言葉を多く使わせて頂きました。流れる毎日、同じようで異なりながら季節は巡る中で、日本人は節目、を大事にして生きてきました。立ち止まり、振り返り、切り替える(改善する)、その機を意識的に、そして自然界にのっとって、活かすのは先人の知恵、活用していきたいと思います。

余談ですが一説には人の人生の気が最も変わるのは、誕生日だともいわれます。ちなみに本当に余談ですが私は3月生まれなので、毎年、12月から冬至、お正月、節分、誕生日と、シフトギアを入れるチャンスをフル活用しています。加えて日本では一般的に4月が学校や会社の年度始まりなのでもう一つ節目がありそうです。皆さん、皆さんのお国、文化ではいかがでしょうか。

更にいうなれば、毎日がお正月、という気持ちで、昨日の延長ではない、毎日毎瞬を大事な瞬間であり節目として、あらたかな気持ちで生きたいと思います。心改める機会をいつもありがとうございます。

今日がカレンダー上のいつであっても、今日を含む一年があなたと大切なお一人お一人、そして生きとし生けるすべての存在にとって生き生きと健やかな瞬間に満ちていますように。

 



著者:

藤﨑美紀 Miki FUJISAKI

ひばな(hibana to bloom) founder, tea life facilitator/coach

Webサイト: https://www.hibana-to-bloom.com/
Instagram: @hibanatobloom


大阪府出身。JAL CA時代に裏千家茶道を習い始める。ロンドン在住中に和カフェ(「Matcha」、「Cha no Ma」)の企画・運営、帰国後は海外事業部にて海外⇄日本の企画・運営に携わる。カフェ、茶の間、茶室に通じる、異なる存在が共に在ることでそれぞれのいのちがありのままに照らされ生かし合う場や関係性を探究すべくコーチング、ファシリテーションを学ぶ。

現在は「在る 在り合う」世界を今ここ私あなたから現すinterbeing をテーマに茶室やサロン、オンラインで、個人、企業向けに、茶道xマインドフルネスxコーチングのお茶会、お稽古、セッションを開いている。